その男はやってきた・・・
大雨、大丈夫!?
胆振管内は何だか大変なことになってますね。
でもむろさんも久々に更新できてるくらいだから少なくとも室蘭は大丈夫よね。
ところで黒埼灯台・・・の続き。
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若かりし頃、みちのく一人旅をしたのだが
[初日の行程]
・矢野口⇒東京(新幹線)⇒仙台⇒松島⇒仙台(新幹線)⇒一関⇒平泉⇒一関(新幹線)⇒盛岡
[二日目の行程]
・盛岡(※)⇒八戸⇒たぶん久慈で三陸鉄道に乗り継いで
⇒普代・・・タクシー・・・黒埼灯台⇒八戸⇒青森
※1990年代前半のことなので東北新幹線は盛岡までなのです
って感じで周ったような記憶があって、そもそもなんで黒埼灯台に行ったんだー!!
ってところがさっぱりわからないのだが、とにかく行ったのです。一人で。
ただそれだけ。(三日目以降のことはまた何れ)
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ってことだったけど、そもそもなぜにこんな間抜けな旅をしたのか!?
ってそれは・・・つまり。
したかったから。それだけです。ホントにそれだけなんだよねー。と。
手動24か25か、たぶんそこらの頃だったのかね。
まぁ思いついちゃったんだからしょーがない。とにかく行ったんだわさ。
世間は夏休みの頃だったと思います。
[三日目の行程]
・青森⇒・・・⇒北海道
ってわけで北海道上陸です。
持ってたJRの切符は東日本エリア限定で、且つ三日間の有効期限しかない。
だから本当はこの日は東京へ帰るつもりだった(というか帰らねばならなかった)んだけど
青森まで行ってホテル傍のバーで馬鹿みたいに酒飲んで・・・寝て起きたら気が変わった。
「よし、室蘭行こう」って。
だから津軽海峡線に乗っちゃった。へへへ
函館ではちょっとした一人観光をして、路面電車であちこちぶらぶらしたりしつつ
あー、函館っていいな~~。きっと心からそう思った。と思われる。
ひとしきりうろついて、ほんだら室蘭さ・・・と思って駅に行ったら大変さ。
時期は確かに夏休み。
スーパー北斗か北斗か覚えてないけど車両連結部にまで人があふれちゃって。
でもとにかく乗ったよ。どうせ着のみ着のまま一切予定のないぶらり旅だから。
そうこうしてたらその連結部に「薄汚い」青年が現れて・・・
そこらの床の上にまんま座ったかと思えば酒とつまみを買って飲み食いし始めたのだ。
(そのつまみがまた臭かったんだー)
なんなんだ、コイツは・・・。
なんて訝しんでたらその青年(お兄ちゃん)が話しかけてきたのです。
「良かったら一緒につまみませんか」って。え・・・!?
なんて戸惑いつつも「おお、わりーね」って。
結局手動も酒を飲む羽目になっちゃったりして。
話によればその彼は東京の大学生で「競馬が大好き」。
半ば無銭乗車しながら(嘘かほんとかは知らんけどね)あちこち放浪してるんだそうで
(それでその薄汚さも納得)つい昨日までは新潟にいたんだ、って。
そして今日は札幌でレースを見るんだって。
ふーん・・・当時手動はさほど競馬には興味がなかったから
「まぁいろんなやつがいるよね。」と。
(彷徨ってる俺もこの大学生と何も変らんよなーって)
って感じであれこれ話してたら東室蘭到着。
じゃあ元気でな。
って別れようとしたら、そいつ突然「お兄さん(俺ね)も一緒に札幌へ行きましょう!」って。
行かねーよって。なーにを酔っ払ってんだよって。
それでもその彼は簡単にあきらめずに
「じゃあ今夜、ここ(東室蘭駅)に戻ってくるから呑みに行きましょう」って。
はぁ!?アホかコイツは。
でもこっちもちょっと酔っぱらってたりしたからね、たぶん勢いだけで
「おお、わかったわかった。わかったからじゃあな。」って。
「ホントですよ、本当にホントですよ。20時(か何時だったか覚えてないけど)
にココに来るからお兄さんも来て下さいよ」って。
って感じで、何だかよくわからん酔っ払いの戯言をあとに手動は実家へ帰ったわけ。
もちろん両親にはノーアポです。
その後かくかくしかじかあって時間はその20時付近。
帰宅後にこの車中の出来事を手動母には話していたけれど
「あんた、行かなくていーのかい?」って。
「あぁ?何?どこに?呑みにならもう少ししたら行くよ」って半ば寝ぼけて手動。
「そうでなくて駅さ。その大学生の子、来んでないの?」って。
ええー!?マジっすか。
何いってんの。このおばはん(←母ね)。
「来るわけねーじゃん。」
「わかんないしょー。行くだけ行ってみればいいべさ。」
と何故だか強硬に主張されたので、こちらも何故だか行ったのだ。
まぁ無駄足でもそのまま中島に出ちゃえばいいかって。
駅に着いて・・・って駅は今のあの赤い不思議な(微妙な?)アレじゃないっすよ、
以前のプレハブのアレですから・・・改札眺めながらしばしぼんやり。
「しっかしまぁ・・・もし現れたら漫画だべや」って。
独りごちてたと思うんだよね。きっと。
そしたらね。
来たの。
えー。来た!?
知ってたのか偶然なのか、本当にその頃に東室蘭に着く下り電車があってね
数名の乗客とともにその薄汚いお兄ちゃんってば改札を出てきちゃったのよね。
がははははは
これには本当に笑った。大いに笑った。(少しひきつってたかも知れませんが)
ええー。ほんとに来たの?来んなよ。馬鹿かよって。
とか何とか言ったけど、そいつはそいつで感動してる様子で
「本当に来てくれたんすね・・・・ここ数週ずっとこうやってあちこち行ってて・・・
話だけは『よし、今晩会おう』ってことになるんだけど、実現した試しがなくて・・・」
って当たりめーだろって。平成の世だよ、そんな変わり者がいるかよって。
そう。俺はかなりの(俺の母親も)変りものだったのだ。
ってことで、とにかく焼き鳥屋(一平)に連れてって飯食わせましたよ。
ただでさえ貧乏な学生旅で札幌でも馬券はとれなかったって言うから
まぁとにかく室蘭焼き鳥(なんて言い方は当時はなかったと思うけど)を食べさせました。
少し頼みすぎたのかけっこう焼き鳥(豚)が残っちゃって、そしたら大将(当時)が
「もったいないから持って帰りなー。包んであげっから」って気を利かせてくれてね、
そいつに持たせました。
その後は「バウハウス」ってところに連れてって歌の2~3曲も歌わせて、
今度こそじゃあなって。わりーけど、うちは泊めらんねーからって。
「ええ、けっこうです。どうせ駅で寝てますから。本当にありがとうございました。」って。
おいおい、夏とは言え北海道の早朝の冷え込みを舐めるなよ、
とか何とか言いつつ駅の方に消えてったのだ。その彼は。
彼はいまどこで何をしてるんだろうか。立派な社会人になったんだろうかね。
なんて言ってるおまえは何なんだって話なんだけどさ。
さて。別れた後はバウハウスのバイトのお姉ちゃんと軽く飲み食いに行ってそれでお終い。
[四日目の行程]はまた何れ。
北海道はほんのわずか一泊しただけおしまい。再びみちのくへ折り返すのだ。