de-do | 室蘭情報 日日是好日

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猛暑なんて嫌だよー


あちぃ。あっちーです。今日も35度前後でしょうか。
これからにわか雨、とかって予報も出てたような気もしますが今現在きっちりきちんと晴れてます。

ども、御無沙汰です。
ぐったりしながら生きてましたよ。de-do#1の手動斉彬でやんす。
小説も好評連載中です。そちらもよろしくどうぞ。

で、その後更新ができておりませんでしたが何となくは買っております。
でもことごとく外れてるので
「あー、今日もアップしとかんでよかったねー」
と切なく胸を撫で下ろしたりする日々。

でもまるで性懲りもなく函館記念でございます。

◎スマートステージ
○スズカサンバ
△マンハッタンスカイ
△シャドウゲイト
△サクラオリオン
△エアジパング
△テイエムプリキュア

あと日本海ステークスは
シングライクバード

ドットコム
でございます。

それでは皆様、熱中症などには十分ご注意くださいませ。
っていうか、日本各地でバタバタ死亡者が出てるっていうのもたまらんねー。

追伸
深夜に「もやしもん」のドラマ(ノイタミナ?)をやってますね。
CGの菌たちがなかなかいい雰囲気を「醸して」おります。
で、そのドラマの主題歌、「SOS」ってのがこれまたどっか聞いたことのあるような音階で
ほどよいキャッチーメロディを「醸して」おりますですね。
何となく頭の中でリフレインしている最近の一曲です。
ちなみにもう一曲よくリフレインしてるのがケロロ軍曹のエンディング曲、
くっつけくっつけくっつけくっつけ・・・・♪
のアレっす!

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第5話「揺れる想い」

7月 24th, 2010 Posted in 題名の無い連載小説

「むふふ。やっぱりラーメン屋をやるなら醤油に拘りたいな♪」

室井三郎は喫煙所でニヤけながら、次の煙草を吸おうとおもったが、もう無い。
兄貴の一郎からラーメン屋の引継ぎ話を聞いてから、何本吸ったのだろうか・・・
三郎自身もヘビースモーカーでニコチン中毒であることは自覚していて、
50歳くらいで肺ガンでポックリ逝ければ本望だと思っている。

「ちっ・・・煙草なくなったか・・・仕事に戻るか・・・」

職場に戻ってくるとなにやらザワザワと騒がしい。システムトラブルだろうか?
「戻りました!何かあったんすか?」
三郎が誰となく職場のメンバーに問いかけた瞬間、ビデオを一時停止したように
全員が三郎のほうを向いた状態で固まっていた。

何だ?三郎は何が起きているのかさっぱりわからない。
「ちょちょちょっと、なんなんだよ?この空気。気持ち悪いんだけど・・・」
と、自席について隣に座っている同僚の山本文夫に小声で聞いた。
「いいから、まずはお前のPC見てみろよ」と山本は三郎のモニタを指さす。

              [新着メッセージがあります]

三郎は恐る恐るボタンをクリックしてメールをチェックした。

-------------------------------

     室井三郎 殿
                               株式会社 パンドラプラス
                               代表取締役社長
                               山登下子

                   辞  令

     平成22年8月1日をもって、新規開発プロジェクトのチーフリーダー

     として室蘭への転勤を命ずる。

 

                                      以 上

--------------------------------

「なんだよこれ!!」

静かな職場に三郎の大きな声が響いた。「おい山本!どういうことなんだよ!?」
山本に聞いたところで何にもならないことはわかっているのに、三郎は山本を睨んだ。
「俺に聞くなよ。室蘭に行けってことなんだろ」 山本は冷静に答える。
三郎の動揺は止まらない。気持ちを落ち着けるために喫煙所へ行こうと席を立つと
職場のメンバー全員、まだ三郎のことを見ている。
三郎にはみんなの目線が冷ややかに突き刺さるようで、凄く嫌だった。

「まぁまぁ落ち着けよ。チーフリーダーってことは昇進ってことだろ。良かったじゃねぇか」
山本の気休めの言葉は三郎の耳には届かない。

「意味わかんねーよ!」
職場では物静かで明るくて優しいイメージの三郎が感情的に怒りの声を上げて
さっき戻ったばかりの職場から立ち去り喫煙所へ駆け込んだ。

「くそっ!!」
シャツのポケットの煙草を取り出そうとしたが、さっき全部吸い終わったばかりで煙草がない。
灰皿にたまったシケモクを4・5本取り出し、フィルターまで火がつきそうなくらい
思いっきり煙を吸い込んで、冷静を取り戻そうとしていた。

せっかくラーメン屋への道が見え始めたところで、まさかの室蘭転勤。
動揺するなというのも無理な話だ。
しかし、室蘭という町は三郎にとって思い入れの深い町でもある。

三郎は室蘭で生まれ、室蘭の小学校、中学校、高校、大学と青春の全てを過ごした町だった。
昔は鉄の町として繁栄していたが、不景気をあおり衰退・過疎化の一途をたどり、閑散としている。
妻の幸子は三郎の幼馴染みで、室蘭生まれの室蘭育ち。
大学在学中に学生結婚をして、このまま室蘭に骨をうずめるつもりだったのだが、大学卒業を
しても、地元に就職先はなかった。 欲をださなければ地元の土建業者やコンビニのバイトでも
夫婦2人で食いつないでいくことは可能なのだが、探せど探せど自分の希望する職種と給料に
あった企業はみつからず、「室蘭に未来はない!」と地元を離れることを決意。

就職を機に地元室蘭を捨てて、東京にやってきたのだ。

三郎としては「いまさら室蘭?」と思っているが、幸子はきっと喜ぶだろう。
三郎と幸子の親も還暦を過ぎて現役を引退し、毎日庭いじりをしながら
退屈な年金生活をしている。 盆と正月に帰省するたびに「あなたたち、もうそろそろ・・・」
と、暗に「孫の顔が見たい」と「帰ってこい」と言っている。

素直に辞令に従って室蘭に行けば、大歓迎されるし、子供を作って親を安心させることもできる。
自分以外の境遇を考えれば、これ以上ありがたい話は無い。
ただ・・・自分自身の夢であるラーメン屋を諦めなければならない。

自分の夢に突き進むか・・・

家族のために夢を諦めるか・・・

吸えるシケモクも無くなり、喫煙所の隅でしゃがみこんで頭を抱えながら
三郎は人生の決断を迫られていた。

 

「ねぇ渡辺。彼、室蘭に行くとおもう?」
「さぁ今の状態ではすぐに辞表をだしそうな気がしますが・・・」
「そうかしら?渡辺もまだまだ見る目が無いわね。彼は行くわよ。室蘭へ」
「そうでしょうか・・・」

パンドラプラス社の社長室にある監視モニターを見ながら
山登と渡辺はカモミールティーを飲んでいた。

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第四話「女王、現る」

7月 23rd, 2010 Posted in 題名の無い連載小説

セミナーでの講演を終えた山登下子は自社へ戻るマセラッティの中で深く溜息をつく。
それは疲労でもある一方で充足の溜息でもある。
「ふぅ~~~」
今日も2000名近くの聴衆の心を鷲掴みにした、そんな充足感に浸っているのだ。

自らが起業しここまで成長させたパンドラプラス社、
今ではIT業界新興の筆頭と自他ともに認める企業である。
社名のパンドラプラスとはパンドラの箱とラプラスの悪魔をかけあわせたものだ。

山登下子、やまのぼりくだりこ。
やまのぼりはともかく、くだりこって….。
どうなんだろう、こんな名前って。

幼少の頃から幾度となく思ってきた、この名前の奇妙さ。
ただの一瞬だって親のこの思いつき以外の何物でもない
ふざけた名前を呪わなかった日はない。
42歳になろうとしている今でさえ、その怨念に似た気持ちに変わりはない。

下子は、所謂大手のコンサルティングファームやITベンダーなどへの勤務経験はない。
ましてやMBAなどがあるわけでもなく、唯一もっているのは日商簿記の3級だけだ。
だって、大学だって高校だって出てないもーん!
なのである。

とにかく、ここまで来た。
再び今日の講演での聴衆たちの恍惚とした表情を思い浮かべてしまう。

「ビジネスを勝ち抜くために唯一必要なもの・・・・それは愛です」
「愛なきビジネスなど不毛以外の何物でもありません」
「我がパンドラプラス社の誇る愛帝BOXは、皆さんの企業活動に必ずや愛をもたらすでしょう」
「ストラテクジックにしてタクティクス、エキセントリックにしてシュールでクールでエコロジー」
「ERPもSCMもどんとこい、ウェブも愛ならモバイルも愛、SISでTSS、LTEは素敵だな、あんたの心はクラウドふーわふわ」

「皆さんのIT投資をひたすら愛帝BOXに注ぎましょう、大いなるリターンをもたらします」
「よろしいですか、皆さんが今後構築するビジネスモデルには愛、愛が必要なのですよ!」
「ご興味のある方、どうかお帰りにでも私の近著『愛のままに我儘に、信じなくても愛あらば』を手にとってみて下さい」

「皆さんに幸多からんことを・・・」
(うぉぉぉぉー、やんややんや、わいわいがやがや×2000名くらいが恍惚)

下子はふと運転手の渡辺に声をかける。
「北海道の、北海道のあそこ何て言ったっけ?」
渡辺は正面を見つめたまま返事すらしない。
数秒後「室蘭、ムロラン、だったでしょうか」
「そお、それ、そこ。 ムロランだったわね。」
「はい、先だって下子様が
『釣りができて』『温泉とゴルフ場が近くにあって』『涼しいけどさほど雪の積もらない』
『晴れ間より霧がかっている』『工業用地のような場所』
で開発拠点を構える、とおっしゃって物色していた際に候補に挙がった、
あの北海道の町はムロランでした」

下子はスモークガラス越しに外を見やる。
視界には明治大学があった。

「今、愛帝BOXのフレーム設計の責任者の彼、あいつ何て言ったっけ?」
「・・・・」
「毎日何十本も煙草ばかり吸ってるちょっとうじうじっとした、いまいちセンスのなさそうなあの男、わからない?」
「・・・・室井、確かむろい・・・とか言ったと思いますが」

「むろい・・・そうね、そんな名前だったわ」
パンドラプラス社の喫煙所には監視用にWebカメラが取り付けられており、
下子はそのカメラ映像を移動中の車の中でもよく覘いていた。
喫煙率の高い社員を徹底して観察、それが彼女の趣味でもあり人事評価の一環でもあった。

「その室井とかって男をそのムロランの開発拠点責任者にするわ」
異動が決まれば5年は戻れない、それがパンドラプラス社の暗黙の了解だ。

「渡辺、明日にでも室井に辞令をだしておいて」
「承知しました」
運転手の渡辺が即座に答えた。
COOでありCFOでもある、下子の参謀にして運転手である渡辺の口元は
心なしか歪んで笑っているかのようにすら見えた。

第四話「女王、現る」 はコメントを受け付けていません
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